造形遊び

 造形特有の表現には、色彩、形、量、塊、バランス、構成、空間意識などがあります。これらは、造形活動をとおした子どもたちの感性を育む栄養素と言えます。「造形遊び」では、子どもたちの豊かな感性を刺激し、創造力を養えるよう、これら栄養素のバランスを考えてプログラムを作成し、実践したものから構成しています。
 テーマは、紙、木、土や金属などの造形素材を中心にしたもの、音や光など造形素材以外の形になりづらいものも造形素材として捉えたもの、そして素材と道具と技法の関係をわかりやすく理解できるように視覚化したものなどです。これらの資料は、造形活動の企画主旨と実際のプログラム内容までを項目ごとにまとめたものと、実際に子どもたちが作れるようにイラストなどを付けたテキストなどで構成しています。活動する環境、シチュエーションなどに合わせて、アレンジも可能です。

造形遊びプログラム


プログラム解説集(指導者向けテキスト)

素材との出会い展「木と造形No.1」(1988年)木と造形(1)11.1MB

 子どもたちにとって身近にある自然の「木」の特性―やわらかさ、かるさ、あたたかさなどを造形素材として見つめなおし、五感を使ったワークショップ1年目の記録です。造形スタジオ内に1万本以上の間伐材を使った環境設定、木の実、小枝や柴を使った造形プログラム9編、公開制作などの紹介。

素材との出会い展「木と造形No.2」(1989年)木と造形(2)13.1MB

「木」をその特性から造形素材として見つめなおし、五感を使ったワークショップ2年目の記録です。自然木をいろいろな形に変えることに着目。木の特質を生かし、木の道具を用いたワークショップを展開しました。造形プログラム6編、スタジオワークショップなどを紹介。

素材との出会い展「木と造形No.3」(1990年)木と造形(3)10.3MB

「木」をその特性から造形素材として見つめなおし、五感を使ったワークショップ3年目の記録です。東京のとある住宅街でやむなく伐採されることになった樹齢約200年の「一本の樹」をフォーカスし、伐採された欅の葉っぱ、小枝などを使ったワークショップを展開しました。造形プログラム8編、スタジオワークショップなどを紹介。

素材との出会い展「土と造形パート1」(1992年)土と造形パートI9.1MB

 原始より土器、埴輪、住居などに使われ、人間にとって最も身近で魅力的な造形素材である「土」をテーマとしたワークショップの1年目の記録です。粘土の持つ可塑性を主眼に、こねる、丸める、たたく、切る、型を押す、磨く、焼くなど、土による子どもたちの造形表現を考えるワークショップを展開。土の基本的な技法を子どもたちが遊びながら体験するプログラム15編とイベントなどを紹介。

素材との出会い展「土と造形パート2」(1993年)土と造形パートII11.3MB

 人間にとって最も身近で魅力的な造形素材である「土」をテーマとしたワークショップの2年目の記録です。どんな形にもできる可塑性を持った粘土だけでなく、ドロドロの流動体、固まった固体など、遊びながら、さまざまな様態の「土」を体験するワークショップを展開。世界各地の土で作られた色、テクスチャーの異なる「土壁」、プログラム17編などを紹介。

素材との出会い展「金属と造形」(1997年)金属と造形18.9MB

 金属は、私たちの生活を豊かにしてくれています。一見、硬いと思われる金属をなます、切る、磨く、やする、たたく、のばすなど、硬い金属に直接に触れ、金属とはどんなものなのかを体験するワークショップの記録です。23プログラムと同時開催した「金属と音体験1+2」とアーティスト金沢健一氏の「音のかけら展」などを紹介。

造形発見展「光と造形‘88」(1988年)光と造形'888.9MB

 私たちの生活を豊かにしてきた「光」をテーマにしたワークショップの1年目の記録です。太陽の自然光、ろうそくなどからネオン、レーザー光などさまざまな光を体験するワークショップを展開。「光のプログラム」15編、イベント+ミニワークショップ6編とギャラリーで開催した7人の光のアーティストによる「光の造形展」などを紹介。

造形発見展「光と造形‘89」(1989年)光と造形'898.8MB

 私たちの生活を豊かにしてきた「光」をテーマにしたワークショップの2年目の記録です。「光のプログラム」17編、イベント+ミニワークショップ4編とギャラリーに設置した反射光、レーザー、ブラックライト、蓄光、光ファイバーなどさまざまな光と効果を全身で体験できる「光のトンネル」などを紹介。

オープンスタジオ「おじいさんの道具箱PART I・II」(1991・2年)おじいさんの道具箱9.0MB

「おじいさんの道具箱」の中にある子どもたちの知らない道具たちにもスポットを当て、深い知恵と技術に培われてきた道具、素材、技術の密接な関係を体験できるようにしたワークショップ。プログラム6編とPART I・IIでの展示などを紹介。

オープンスタジオ・造形発見展「造形宝島」(1993年)造形宝島28.1MB

「造形宝島」という架空の物語をモチーフとして造形活動に結びつけたワークショップの記録です。子どもたちがいろいろな素材、道具、技法を体験していく中、子どもたちの作品自体もスタジオ全体の環境となっていきます。プログラム24編とスタジオの環境設定ができ上がる過程を見せる「造形宝島の風景」、イベント「たからじまおんがくかい」などを紹介。

「モダンアートどんなもんだ!?」(1991年)モダンアートどんなもんだ15.3MB

 セゾン美術館(池袋)で開催された「グッゲンハイム美術館展」の協力事業の記録です。モダンアート作品の原寸大複製写真30点を展示し、鑑賞と、五感を通した仕掛け展示で体験。20世紀初頭モダンアートのアーティストが試みたさまざまな技法「コラージュ」「フロッタージュ」「デカルコマニー」などを使ったワークショップなど、プログラム24編を紹介。

「ヤマムラアニメーション~こどもずかん+アートライブラリー」(2003年)ヤマムラアニメーション こどもずかん21.4MB

 日本人作家として初めてアカデミー賞・短編アニメーション部門にノミネートされた作家・山村浩二氏の創作活動を広く紹介した展覧会のパンフレット。セルアニメーションだけでなく、人形、粘土などのいろいろな素材や透過光、ハーフミラー、さまざまな映像技法を山村さんの作品や作品素材、そして、視覚玩具やコマ撮り撮影の体験場面も紹介。子どもたちから山村さんへの質問インタビューなども掲載。

プログラム事例集

「音体験」(1996年)音体験48.3MB

 1986年と1987年に開催した、音を感じ、五感を刺激し、目と耳をひらいて「音」を聞くワークショップ「造形発見展―音と造形」の「音具」のプログラム集です。子どもの体験、使う素材についてと、作り方・使う道具をイラストで紹介しました。プログラム19編、「音のしくみ」について、音のアーティストなどによる「音体験のイベント」などを紹介。

プログラム実施記録集

「こども歳時記―造形スタジオの活動記録―」(2004年)こども歳時記57.1MB

 誰にでも共通する季節行事は何の説明もなく容易に始められる生活造形です。季節行事と子どもの造形表現を取り込んだプログラム「こども歳時記」の記録です。1985年から1994年までの10年間、「正月」「節分」「桃の節句」「端午の節句」「クリスマス」のプログラム、イベントなどから53編を紹介。

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